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異常性愛
第29章 相克
ポケットのタバコを探した。
間違えて携帯電話を掴み、昼から一件も着信が無いことに気付いた。
上司との昼食の際にマナーモードにしていたことを思い出した。
数件の履歴の中に、やはり優子からのメールがあった。
金曜に話してからそれっきりだった。
《お昼食べたの?》
私を気遣う優子からのメール。
溜息が出た。
金曜のことには触れられていない。
わざと触れないないようにしているのだろう。
だが、私から話さなければならない事がある。
《しっかり食べた。
いつ逢える?》
優子に返信し、タバコに火をつけた。
週末の騒動と私の決心を優子に伝える。
それが、私の決めたことだ。