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異常性愛
第29章 相克
過去に付き合った女性との別れ話とは訳が違う。
なぜなら、私は優子を愛している。
離したくないのだ。
優子の裸や性器が私を支配した時期もあった。
でも今は違う。
彼女の気風は、もはや何物にも代えがたい私の拠り所となっている。
別れろと誰かに迫られたわけでもなく、妻にバレずに上手くやっていく事も優子とならできるかもしれない。
私を愛してくれる優子の気持ちが容易く変わるとは思えない。
私もそれを変えることは出来ない。
そして、生き方を選んだ私の中にある優子への愛は、何も変わっていない。
今も優子を愛している。
強く。
だが私の中にはいつも七歳頃の私が居て、私は時々 彼と対話する。
しっかりしてくれよ、と彼は言う。
僕を助けろ、と彼は泣く。
彼の悲しみや苦しさを知るのは私だけだ。
彼を救えるのは私だけだ。
血を分けた絆を失わないこと。
それが彼との約束だ。