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異常性愛
第30章 潤む瞳
   
 ―フェーズⅠ―


ベッドルームで優子が泣いていた。

全裸の優子はヒザを崩してベッドに座り、私に背を向けている。
ツンと張った華奢な肩を震わせると、両手で顔を覆った。

項垂れ、嗚咽する優子の涙はポタポタとシーツを叩き、次第にシーツを黒く染める。
グスングスンと息を吸う度に、艶めいた小さな背中をピクッとしゃくらせ、やがて優子の涙は床にあふれ出し、私の足の指を濡らした。

堪えることを諦めた優子が大声でわんわん泣き始めると、涙は勢いを増し、ベッドルームを充満させていった。
嵩が増していく優子の塩辛い涙の海に溺れ、泳ぎが下手な私は息が出来ずに もがいた。
それでも優子は声を上げて泣き続けた。

『ゆうこ・・・。』

伸ばした指先が優子に触れたところで、閃光と共に私は目を覚ました。


  
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