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異常性愛
第30章 潤む瞳
『はぁ、はぁ、はぁ・・・。』
鼓動が背中に響き、血流が耳の中で鐘を打っていた。
夢の中の息苦しさが目覚めてもなお治まらず、過剰な呼吸が白い息を吐かせた。
なんとか呼吸が整った頃、急に肌寒さを感じた。
冷えた真冬の寝室で私はじっとりと汗をかき、涙で睫毛を濡らしていた。
隣で眠る晶子は寝息を立て、すやすやと眠っている。
『ふぅ・・・。』
大きな溜息をつき、指先で目の周りを拭いた。
タイマーオフしたエアコンを入れ、汗で冷たくなったシャツを着替えた。
ベッドに戻って晶子を抱き寄せると、『うぅぅん』と小さく呻いて、私に抱き付いて足を絡みつかせたが、晶子が目覚める様子は無かった。