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異常性愛
第30章 潤む瞳
  
  ―フェーズⅢ― 


長時間に及んだが、ハウスメーカーとの打ち合わせは順調に進んだ。
本来なら難儀な交渉になるはずだが、亭主から担当者への根回しが効いていて、こちらの要望は全て通った。
ハウスメーカーの担当者には¨個人的な利益¨が相当出ているようだった。
真美を満足させてやりたいという亭主の心配りだろう。

後は良いものを作るだけ。
私の仕事は半分終わったといっていい。 
真美とチアキの関係さえ上手くいけば、この仕事は成功するだろう。

ハウスメーカーの事務所を出て時計を見た。
優子の到着時間には充分間に合う。

別れを切り出す心の準備は、正直 できていない。
だが時間は容赦なく十八時に近づいていく。


  
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