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異常性愛
第30章 潤む瞳
『なぁ優子。』
『なぁに?』
微笑む優子が、私を見る。
最高に可愛い笑顔だった。
『別れよう・・・。』
別れを告げた。
私の言葉が一瞬で優子の笑みを奪った。
その言葉は優子に届き、もう二度と帰らない。
優子は顔色を失い、みるみる悲しげな表情に変わっていく。
『・・・どして?』
『子供が・・・できたんだ。』
『・・・奥様と?』
『ああ、真美じゃない。』
『そんな・・・。』
優子は私から目を逸らさなかった。
別れを覚悟しているのが解る。
私を引き止めることができないことも悟っている。
だから、私をずっと見ている。
これが、最後だから。