この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
異常性愛
第31章 羽化
『都合よくやればよかったのに・・。』
『そうなんだ。
そうできりゃ良かったんだけどな。』
『不倫女と別れるだけよ。
気にしないで・・・。』
『何言ってんだ、お前。
自分をそんな風に言うな。
そこらの女と一緒じゃねぇよ。』
自分自身を蔑むような優子の口調に腹が立った。
優子が私の妻だったら、と妄想を抱いていたこともあった。
私にとって、優子はただの浮気相手ではない。
『ごめん・・・。』
『謝るなよ。
お前が反省してどうすんだよ。
もっと、俺を責めろよ。
そのつもりで今日来たのに、
なんで「気にしないで」なんだよ。
嘘にしたのは俺なんだ。
お前は悪くない。
不倫女って何だ。
お前は「優子」なんだよ。
そんな風に言うの、やめろ。』