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異常性愛
第31章 羽化
笑顔を絶やさず明るく振舞い、慎ましく立場をわきまえ、私を困らせるような主張を優子は一切しなかった。
慈しみの心を持ち、私を生き別れた母に導いてくれた。
私を解毒し、皺くちゃの心にアイロンをあててくれたのは、他でもない優子だ。
優子は私の大事な恩人なのだ。
自分自身を卑下するいわれは無い。
『怒らせちゃった・・。
ディーに怒られたの
初めてね・・・。』
『あ、いや、あ、そうだな。』
感情に違和感はなかったが、優子にひねくれた事を言わせたのは私だ。
私が偉そうに言えた立場ではない。
『でも、ありがと。
そこらの女じゃないって、
嬉しかった・・・。』
『約束を破るのは俺だ。
無責任なこと言ったのは俺なんだ。
お前は悪くない。』
『ディーは無責任じゃないよ。
元々、ディーに責任なんて無い。
そう感じさせた あたしが いけないの。』