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異常性愛
第31章 羽化
しばらくの間、私は優子を抱き続けた。
辛くて、辛くて仕方なかった。
やがて優子は腕の中で大人しくなり、私の身体に手を回した。
『俺のじゃ・・・ないんだ。』
『・・・ディー。』
『俺のものじゃない。
そうできなかったんだよ。
何度もしようとしたんだ。』
『・・・ディー。』
『したかったんだ。
でも、できないんだよ。』
抱きしめた腕を緩めると優子は私の首に手を回し、悲しげな表情で私を覗き込んだ。
『お前とは・・・
セックスだけじゃなくなって、
誰にも渡せなくなった・・。
自分のものにするつもりだった。
お前の気持ちに
応えようとしたんじゃない。
俺がそうしたかったんだ。
独占したかった・・・。
でも、しちゃいけないって
わかったんだよ。』