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異常性愛
第31章 羽化
私の胡坐(あぐら)に跨る優子は、何度も叩いた私の頬を撫で、唇にキスした。
熱く優しいキスだった。
あれほど唇を吸い合ったのに、優子の唇の肉感を久しぶりに味わったような気がした。
私は薄々勘付いていた自分の本心に向き合い、自分の気持ちを確かめながら、心の内を吐き出した。
『俺はお前が好きなんだ
・・・ 誰よりも。』
『誰よりって
・・・・奥様よりも?』
『ああ・・・そういうことになる。
今まで出会った誰よりも。』
『・・・・。』
優子は小さく息を飲み、言葉を失った。
『でも俺は大好きなお前を
幸せにしてやれない。
それは、許せないよ・・・。』
私に尽くす晶子よりも、半年前に出逢った優子が好きだった。
それが偽りの無い、私の本心だった。