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異常性愛
第31章 羽化
   
『嬉しかった・・・。
 ディーが言ってくれたこと。

 あたし、その言葉を
 ずっと待ってたのかも・・。

 さっきの言葉は、あたしの宝物。』

『淋しいな。』

『淋しい・・・。
 でも愛されてるって
 確かめられた。
 あたし・・・幸せよ。』

『確証・・・か。』

『贅沢よね。
 愛されてるって。』

『想う事しかできないよ。』

『充分・・。
 先のことは決まってないもの。
 一途よ、あたし。』

そう言って優子は私にキスした。
誰にも真似のできない優しいキスだった。

『ディー、抱っこして。』

それから私達は時間の許す限り身体を重ねた。
心を通わせ、愛し合い、名残を惜しみ、互いに別れを受け入れた。

無かったことにはできない私達の関係は終焉を迎えた。

優子の言うように先のことは解らない。
ただ揺れ動いた私の決心は、方向を定め、前を向いた。



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