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異常性愛
第5章 甘い罠
薄暗いガレージで、出会った頃の涼子を思い出していた。
穏やかな物腰の清楚な若奥様だった。
三年前、涼子がショールームに来店したのがきっかけだった。
綿密な打ち合わせを重ね、厳選した商材でこの家の内装は生まれ変わった。
涼子は子供のように喜んでいた。
工事完了の日、メールアドレスを教えて欲しいという涼子に、私は顧客対応の一環としてアドレスを交換した。
そこからはメンテナンスで訪問したり、追加の発注をもらったり、そのうち昼食を共にし、デートに出かけ、時間をかけず大人の男女関係に至った。
私は道徳に欠けた女狂いの不埒な男だが、仕事には熱心で専門知識や人脈は多岐にわたる。
看護の経験しかない涼子には、私の仕事ぶりや業界での顔の広さに一方ならぬものがあったようだ。
バリバリ仕事をこなし、遊びをよく知る悪い男というのが私の印象らしい。