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異常性愛
第5章 甘い罠
靴を履いた私に三本指を立て、受話器を耳に当てる仕草で涼子が合図した。
私は頷き、そっとドアを開けて一度外に出た。
長いアプローチを早足で歩き、ガレージの死角に身を置いた。
タバコに火をつけ、しっかりと煙を肺に入れる。
指先には生臭い涼子の匂いがこびり付いていた。
タバコを吸い終えるころメールが届いた。
ちょうど三分経ったぐらいだった。
《10分後にインターホン
今度は営業さんでね》
返信内容からは平穏な雰囲気が読み取れた。亭主にバレてはいないようだ。
----(10分か・・・長いな。)
返信した。
《10分?ガレージなんだけど。》
すぐに返信が届く。
《ごめんね。お化粧もしなきゃ。
セキュリティ切ったから、
そこにいても大丈夫よ。》
かび臭いガレージで、もう一服ついた。