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異常性愛
第7章 招待
角を曲がる涼子の車を見届けて、私は足早に車に乗り、エンジンをかけた。
むわっとした熱気が車内に充満している。
エアコンを強めにかけ、亭主に電話した。
亭主はすぐに電話に出た。
私からの電話を待っていたということだ。用件の重要性が窺える。
『もしもし。今ひとりです。』
《そうか、今どこだい?》
『公園です。森林公園の駐車場です。』
《ああ、あそこか。
わたしも時々散歩するよ。》
『頼みって、いったいなんでしょうか?』
焦らされるのは御免だった。
だが、短気を起こせばこちらが不利になる。
亭主の話しぶりは商材選びのときと違い、やけに落ち着いていて年齢相応のものを感じさせる。
できるだけ亭主に話させた方がいいだろう。