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異常性愛
第10章 底流

五本目のタバコに火をつけ、ヘッドレストに頭を預けた。

ソファの分厚い背もたれは、長距離を運転してきた私の身体から疲れを吸い取ってくれた。
見上げた高い吹き抜け天井には、宇宙船のような巨大なシャンデリアが光輝を放つ。
私はそれに向かって煙を吐いた。

ガラス張りの喫煙スペースから見える広々としたロビーには、一般家庭にはとても置けそうもない巨大な観葉植物がそちこちに配置され、いくつものシャンデリアの煌きと、それを反射する磨き上げられた石張りの床が、上質なムードを演出している。

-----(悪かねぇな・・。こういうのも。)

湖畔に立つリゾートホテルは都会の喧騒から隔絶され、ここにしかない静寂が幾分ゆっくりと時計を進める。
多くのビジネスマンや観光客で込み合っていたが、広大なスペースと高い天井がその密度感を緩和していた。



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