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異常性愛
第10章 底流
ギャラリーの視線を尻目に、ショートヘアを大きなソファにそっと降ろし、小声で名前を聞いた。
『あ、あのマミです。杉原真美です。』
初対面の私に胸を隠して答える女。
『真美さんか。いきなりだけどセックスするよ、君と。』
『は、はい。』
『かわいいね。いくつだい?』
できるだけ低い声でゆっくり話し、笑顔で真美を落ち着かせる。
『二十三です。』
真美は大きな二重瞼を細め、微笑んだ。
真美から顔を少し離し、首を傾けてじっくり真美の顔を見た。
幼さの残る表情は、晶子の若い頃に似ている。
『若いね、すごくかわいい・・・。おっきな目だね。髪も似合ってるし、小まめに通わないといけないんだろ?ショートは美人にしか似合わないんだよ。』
とにかく褒める。
おだてられているとわかっていても、女にはそれが一番の弛緩剤になる。
真美は口元を緩ませ、目を輝かせている。
既に相当、酒を飲んでいるようだ。