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異常性愛
第11章 アフロディーテの慟哭
私の背筋を凍てつかせた絶叫の後、頂点に達した男の唸り声が聞こえた。
今し方、耳にしたあの絶叫は、涼子が私を昇天させる、謂わば彼女のキメ台詞だ。
それがなぜここで?
亭主を追ってきたのか?
いや私を追って?
一体なにが起こっているのだ。
聞き違えたのか?
聴覚の認知ミスだとしても私の記憶の中から、なぜ最初にその声を涼子と誤認するのか。
やはり涼子なのか?なぜここに?
私の中で、現状の疑問とその理解が高速で繰り返されるが、動揺と恐怖がその処理を邪魔する。
解っていることは、ここで性行為が行われ、涼子と推測される声と言辞を確認したということだけだ。
ならば、それが涼子だとしたら・・・。