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第11章 アフロディーテの慟哭

　　
自分の感情を確かめるように自問自答した。
恐怖、怒り、背信、嫉妬、・・・
様々に湧いては消える感情を篩（ふるい）にかける。

出てきた答えは¨知己の女のセックスを見たい¨という下衆な欲望だった。

深層心理では、その女が涼子であってほしい、他の男に犯されていてほしいと願っていた。

以前、食品庫から亭主と涼子のセックスを覗き見た、あの感覚ではない。
なぜなら今は涼子が私に気付いていない。
私に好意を持つ女が、他の男とどんなセックスをするのか、あのいやらしい行為を誰にでも披露するのか、私の知らない涼子を盗み見たい。

涼子の秘匿を暴くというサディスティックな感情が、私に陰湿な喜びをもたらす。
感情の整理が進むと性的な興奮が湧きあがり、私は勃起していた。