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異常性愛
第12章 独裁者の嘆き
《その¨奥様¨がキミを呼んでるんだよ。
いいから機嫌直してくれよ。なっキミぃ。》
『奥様が?ですか?』
《そうだよぉー。》
語尾を上げた亭主のイントネーションには、何か含みがあるような気がした。
『わかりました、行きます。』
《おっ!来てくれるか!歓待するぞ!新しいシャンパンを開けようじゃないか。さっき支配人が差し入れてくれたのが未開封だ。 喉が渇いとるんだ、早く来てくれ!》
亭主は電話を切った。
支配人は懲りずに向こうへ合流しているようだ。
臆病な男ほど、こういうことには貪欲だ。
涼子の破廉恥な画像を削除し、未読のメールをチェックした。
職場の業務連絡と晶子からのメールだった。
晶子のメールには赤いハートのアイコンが添えられていて、それがスクロールする私の指を止めた。