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異常性愛
第13章 塊
涼子の喉を掴んだまま顔を張った。
『アンッ!』
もう一度張る。
『アンッ!』
ぐらんぐらんと頭を揺らす涼子の目に涙が光った。
やはり涼子は正気だ。
涼子の腕を引き、私の胸の上で強く抱きしめた。
耳元で『痛いよ・・。』と涼子は呟く。
----ごめんね。正気かい?
私の囁きに涼子はコクッと頷いた。
涼子にクスリは効いていない。
飲んでいないか、吐いたかだ。
ピーコックチェアで見せた涼子の眼光はジャンキーのそれではなかった。
素面で私の元に戻りたかった涼子は、どこかでクスリを吐き、医者連中を満足させるために破廉恥女を演じていた。
そこへ涼子には計算外だった私が現れ、長谷川との行為を私に見られた涼子は、ジャンキーを演じ続ける以外に無かった。
直前に私と愛しあった涼子には、辛い振る舞いだっただろう。