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異常性愛
第14章 宿怨

¨聴覚障害者から見たダンサーは異常者にしか見えない。¨
亭主が私に語ったエピソードが胸に染みた。

聞こえない。だが音楽は存在する。
音楽の存在を理解できず、否定する聴覚障害者は、辻褄の合わない現実を多く見ることになるだろう。

私も同様に辻褄が合わなくなったのだ。
だが涼子への愛を認めた瞬間から、感情の整合性がとれた。
そして母への宿怨を自覚した。

----母を恨んでなどいない。

私はそう思い込むことで、母を忘れるように自分を仕向けていたのだ。
当時の幼い私が、母を失った現実と対峙すれば、瞬く間に壊れただろう。

だから幼い私は逃げたのだ。
必死で現実を振り払い、逃げたのだ。



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