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異常性愛
第14章 宿怨
『朝まで?』
『ああ、そうだ。』
『なのに一人か・・。夜明けって残酷ね・・。』
と、優子は対岸のホテルの方を見て呟いた。
私は昨夜ベッドから優子が合図をしたことを思いだした。
『クスリやらなかったのかい?』
優子は振り向き、笑顔を見せた。
『あはは、飲んでない。
口の中に押し付けて、
後でプッて・・んふっ。』
『真美ちゃんはトンでたよ。』
『慣れるわよ。じきに。』
真美は亭主の愛人になったようだ。
今後もあの場に顔を出し、涼子や優子のように ああいう場での知恵や振る舞いを次第に身に付けるのだろう。
『真美ちゃん先生の愛人になったんだって。
今朝カフェで嬉しそうに教えてくれたわ。』
『へぇ、そうなんだ。長谷川さんは?』
私は知らない振りをした。
男同士で交わした会話を、相手に断りなく、むやみに知った顔をするものではない。