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異常性愛
第15章 コンジャンクション
『幸せね。涼子さん。』
『でも離婚までさせて
・・・責任感じるよ。』
『はは、自惚れやさん。
ディーのせいじゃないよ。』
優子は空になった私のマグカップにコーヒーを注いだ。
『涼子さんは真正面を向いちゃったのね。
そしたら先生じゃなくディーがいたのよ。
ディーと眼が合っちゃって、
自分が本気なのがわかったのよ。
だから自分から退いた。
本気にならなかったら、
先生と別れることはなかったのよ。』
『じゃやっぱり俺のせいだ。
でも離婚する必要があったのか?
俺と別れても、
先生とは今まで通りでよかったのに。』
じっとカップを見つめた後、優子は私に背を向けた。
『今まで通りにはいかなくなった・・。
遊びが本気になると、
どこかで怪我をするのよ。
でもそれは、あなたのせいじゃない。』
振り返った優子に笑顔はなく、物悲しい目でカップに視線を落としている。
少し不安になって、私は優子を覗き込んだ。