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異常性愛
第15章 コンジャンクション
『なに、涼子が?』
手の甲で口元を拭き、優子に聞き返した。
『ディーは謝りたいって言ってたよね。』
『ああ言ったよ。』
『どして?』
ゆうべからの心情を、どう説明していいのか解らなかった。
過去を話すには優子との時間はまだ浅い。
つつみ隠さずとまではいかないが、ある程度、話しておけば後が楽だ。
『うーん、俺はさ、
ちっさい時にいろいろあってさ。
ひねくれたガキだったんだよ。』
気難しい面持ちで、私の話に優子は耳を傾けた。
『いろんなことにそっぽ向いて、
拗ねてたんだ。悪さばっかして、
歪んだまま大人になって・・・。
涼子がそれじゃだめだよって
教えてくれたんだよ。
その涼子を大事にしてやれなかった。
だから、謝んなきゃな。』
『すごく大事そうにしてたよ。
あたしにはそう見えた。』
『ゆうべはね。それまでがダメ男だった。』