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異常性愛
第15章 コンジャンクション
  
『それが好きってことなのよ。
 謝罪なんていらない。悲しくなっちゃう。
 悪いと思うんならディーがそう思えばいい。
 面と向かって謝られたって、
 うれしくないわ・・。』

涼子の心境を察し、睫毛を伏せる優子。
諦めたように小さく首を振った。

『それじゃ謝罪になんないじゃん。』

『謝罪って謝りたい人の一方的な思いでしょ。
 求められない謝罪って、
 謝罪する側の思いを遂げたいだけだと思うな。』

優子の指摘は的を射ている。
「謝りたい」その思いは私だけのものだ。

『そうだな。俺の独りよがりだ。』

『それに涼子さんは、
 あなたに傷つけられたとは思ってないよ。
 そんな人を愛せない。』

優子は涼子と同世代だ。
似たような経験が、優子にもあるのかもしれない。

それは私の母への思いとも一致する。
無意識で母を恨み、あちこちに八つ当たりしたが、母に傷つけられたという被害意識が私にはなかった。
母からの謝罪など私は求めていない。

  
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