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異常性愛
第15章 コンジャンクション
----(ここに一人じゃ寂しいな。)
正面には、腰高さの収納が部屋の両端まで造作され、そこには図書館のようにびっしりと本が並んでいる。
----(勉強家なんだな、支店長さんは。)
本棚の上は天井までのガラス張りで、湖とその奥の山々を一望できた。
少し前に優子と再会したコンビニが小さく見え、原色の看板は周囲に異彩を放ち、私を懲らしめた信号機が小さな青色を点滅させていた。
『あそこで出逢えたのよね。』
『あの信号が涼子を諦めさせたんだ。』
優子がレースのカーテンを閉めると、部屋に差し込んでいた陽光のギラつきが消え、柔らかな陽だまりに部屋の様相を変えた。
私達は何度か小さなキスをした後、ベッドに倒れこんだ。
抱きしめた優子の胸元に、嗅覚が待ち望んだ女の匂を嗅いだ。
蒸したセイロを開けたような熱気と、その官能的な女臭さが、今朝までの出来事を記憶の隅に追いやってくれた。