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異常性愛
第17章 つづら織りの海
   
母の本籍地は海沿いの田舎町だった。
途中に、獲れたての鮮魚を食わせてくれる大きな魚市場があって、その魚市場での食事を口実に『一緒に来るか?』と晶子を誘った。

長らく私と出かけていなかった晶子は、私の誘いに『ほんと?』と小躍りして喜んだ。
いや、その態で喜んでみせてくれた、ということだろう。
私の不安な気持ちに棹ささぬよう、晶子は明るく振舞ってくれていた。


そうして私は、頼もしい添乗員と共に母の生まれ故郷に着いた。

幼い頃に見たような、どこか懐かしい風景だった。



 
 











第十七章 -つづら織りの海- 完






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