この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
異常性愛
第17章 つづら織りの海
翌朝、記載のあった本籍地の役所に向かった。
職場では展示会の準備があったが、仲の良い同僚に頼み込み、上役には内緒でサボらせて貰った。
そして助手席には晶子が乗っている。
普段にない最近の私の態度を、晶子は心配していたのだろう。
それが私の肉親のことで、しかもそこには様々な事情があり、それをおぼろげながら晶子も承知している。
係わりどころが難しい話に、いくら妻とて自分から付添うとは言い出しにくい。
口には出さずとも、朝からそわそわと私を心配する晶子の内心を思うと、家で待たせるのは酷なことだった。