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異常性愛
第18章 大罪
  
こんなに早く居場所が解るとは思わなかった。
捜索に時間が掛からなかったことも良かったが、ポスターの神社を思い出せたことが、私は嬉しかった。

夏休みの帰省でここへ来ていたのだ。
私は泳げなくて、あまり海に行かなかった。

嫌がる私を、母は無理に連れて行こうとせず、兄姉が父と海に行っている間、母は神社で私を遊ばせてくれた。
そして私たちを叱った宮司に、母は頭を下げていた。

少しずつ幼い頃の記憶が蘇った。

実家には私と同じぐらいの従兄弟の女の子がいて、その子と私は仲が良かった。
時々、私の実家にも遊びに来ていた。
母の実家に帰るその子を、切ない思いで見送ったことがあった。

母の実家は田舎建ての瓦葺で、農機具小屋に白い犬が繋がれていて、私はよくそいつに吼えられ、ビクビクしながら離れの便所に行った。

汲み取り式の臭い便所だった。
そこから手が出ると兄に言われ、怖がりの私は母と一緒でないと便所に行けなくなり、板戸を開け放し、母と顔を見合わせながら用を足した。

一瞬、母の顔を思い出せた。
しゃがんで気張る、幼い私を見守る母の顔は、笑っていた。

懐旧の情にかられ、胸が熱くなった。



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