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異常性愛
第18章 大罪
車を止めた。
『どうしたの?』
『いや、なんでもない・・・。
ちょっと一服するよ。待ってて。』
車を降りて外に出た。
センターラインの無い下り坂の先に、海が見える。
青ではない、碧色の海に真っ直ぐ伸びていく緩い下り坂。
その手前の松林を曲がれば神社だった。
行くか、辞めるか・・・。
ここまで来て躊躇する自分に苛立った。
会わずに戻るのなら今しかない。
場合によっては、母の現況を調べてから出直してもいいのではないか・・・。
つま先を見つめていた私の視界に、タバコの箱が入り込んだ。
『はい、ダーリン。
一服でしょ。』
タバコを差し出し、晶子が微笑んでいる。
一服すると言ったのに、私はタバコを持たずに車を降りていた。
『ああ、ありがと。』
タバコを咥えると、晶子は慣れない手つきでライターを点し、タバコの先に近づけた。