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異常性愛
第18章 大罪
私は弱い。
それを認めざるを得ないほど、晶子の言葉は力強かった。
「命を懸ける。」
今、私にそれが言えるだろうか。
愛されている、と実感させてくれた晶子に、命がけで守ると言われた私は、晶子の命に見合う人間なのだろうか。
こんなにも脆弱で意気地の無い私を、愛させてしまった。
命を賭して守るとまで晶子に言わせてしまった。
私は晶子の真心を翻弄し撹乱した悪魔だ。
不貞など吹き飛んでしまうほどの大罪を私は犯していた。
母との対峙から逃げず、きちんと向き合うこと以外に、私が犯した罪を償うことはできない。
強くならなければ、晶子の愛に応えることはできない。
晶子の愛の強さ。
それは何物にも代え難い、私の財産だ。