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異常性愛
第19章 変わらないもの
なぜなら私が母から一番愛されていたからだ。
私は不貞を犯した母への復讐の対象物だった。
それは、幼い頃から私も薄々感じていたことだ。
だが父への憎悪で母を煽るつもりはない。
そんなことで平穏な生活を送る母を動揺させたくなかった。
『あっ、でもそれは違うんだ。
俺が出たいって言ったんだ。
ほとんど家にも帰ってなかったしね。
外で好きなようにやりたくて、そうしたんだ。
あの宗教もしなくていいしね・・・。
ママも辞めたんだろ?』
『ええ、別れたばかりのときは、
自分の信心が足りないんだって
ちょっと頑張ったんだけどね。
そうじゃないって気付いたことがあってね。
離婚して一人になると
世の中のいろんなことが見えてきてね。
ママはほんとにバカだったわ。
辞めてすぐは不安だったわ。
悪いことが起こるんじゃないかって。
でもよく考えたら、その時が一番悪い時期だった。
パパ再婚したでしょ?
由美さんてひとでしょ?』