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異常性愛
第20章 綾繋ぎ
母と会い、義理の娘として、新しい人間関係ができたことが嬉しいのだろう。
結婚五年目にして初めて晶子は¨嫁いだ¨と実感できたらしい。
自分の妻が姑と豊楽の時を過ごすことなど、昨日までは想像できなかったが、母に肩を抱かれ、祖母と楽しそうに台所に立つ晶子を見て、一緒に来てよかったと思った。
私は晶子に感謝している。
今日、晶子は愚図つく私に発破をかけ、最後に背中を押してくれた。
一人で来ていれば、私は母に会わずに逃げ帰っただろう。
再会の時も、控えたところで私と母の心情を汲み、それでも私を支え応援してくれた。
あの時、晶子の慈悲深さがなければ、私は足元で母を泣かせ続けていただろう。
今日一日で、晶子の芯の強さと私への想いの大きさを知った。
不純な動機で一緒になったが、良い妻を持てたと心底思えた。