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第20章 綾繋ぎ

　　　　
『でも、喜んで出てったんでしょ？』

『そりゃそうだけど。』

『あのね、今日思ったんだ、あたし。
　ウチの親にも、もっと会っとこうって。
　あと何回、顔見れるのかなぁって思った。
　ウチに帰るのって年に一回か二回でしょ。
　あと二十年ぐらい生きててくれても、
　元気でいられるのが、どれぐらいだろな・・。

　ボケちゃうかもしれないし、
　そしたら、あたしか誰か解らなくなっちゃう。
　毎日一緒にいたのに、大人になったら
　年二回だもんね。
　ちょっと薄情かなって。
　育ててもらったのに。』

晶子は両親に愛され育った。
私にはその感覚がわからない。
親など早く死ねばいいと思ったし、実際に殺しかけた。