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異常性愛
第20章 綾繋ぎ
『そうか?俺はどっちでもいいけど、
本人いないところで、俺が「ママ」って。
三十五だぜ、俺。』
『関係ないわよ。ずっとママ、いいじゃない。
お母さんだって、
あなたに「かぁちゃん」って呼ばれるの
嫌だと思うよ。
ママって呼んであげなよ。』
晶子の言う通りだ。
母がいなかったときの呼称を母は知らない。
そしてそれは母を恨んでいた時の呼称だ。
私も¨かぁちゃん¨と呼びたくはない。
『あとね。』
助手席で晶子は座り直した。
ずりあがったポロシャツの背を直し、私に向いた。
『お父さんなんだけど・・・。』
『オヤジ?』
『うん。
帰ってあげないの?』
『帰ってあげるも何も、勘当の身だぜ。』