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異常性愛
第22章 ギブ・アンド・ギブ 後編
『ディー、離さないで・・・お願い。』
うな垂れた優子は小さな肩を震わせ、言葉を絞り出した。
自らの矜持を欺き、人恋しさを告白する優子が労(いたわ)しくみえた。
野心に燃え、強く生きてきたであろう優子が、震える捨て猫のように弱々しく私に哀願している。
私が優子を愛したときが別れの時だと、別荘で優子は言った。
ただのセックスフレンドとして付き合えなくなれば、その時が終わりだと。
あの日から逢えずにいた この数週間の間に、優子は想いを募らせたのだろう。