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異常性愛
第22章 ギブ・アンド・ギブ 後編

優子を独り占めしたいという感情は、嫉妬に起因しているわけではない。
湖畔のホテルで初めて会った時から、優子にそれなりの男性関係があることも承知していたし、だからこそ優子と不倫関係をもった。
だがこの何時間かの優子の仕草や振る舞いに心を奪われてしまい、自分の所有物として据え置きたくなってしまった。
それが愛情なのか、単なる所有欲なのか、ハッキリしない。
一縷の望みをかけて 優子に復縁を迫った男に引導を渡したのも、先週 別の男に抱かれていたことにムカつくのも、優子を独占したいという私の純粋な欲求からだった。
妻と別れる気は毛頭ない。
結婚が女の幸せだとするのなら、優子にその幸福をもたらすのは私ではない。
なのに私はこの女を独占しようとしている。
そこには性欲や愛だけではない何かがある。
そして私は、
あまりに都合が良すぎる。

