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異常性愛
第23章 原石と宝石
   
オフィス街に朝から雪が降った。
今年、初めての雪だった。
先週あたりから急に冷え込んで、週末には自宅近くでも霜が降りた。

私は自社ショールームでの接客担当を志願し、客の来店を待っていた。
平日の昼間に、オフィス街のショールームへ足を運ぶ客などいない。
ましてや、雪だ。客足は遠退く。

だが、私には退屈な平日のショールーム担当を志願する理由があった。
金が有り余った人種ほど、休日を忙しく過ごす。
実はこんな日には富裕層の来店が多く、大きな商談になることがあるのだ。
それが私の狙いだった。


昼食を先に済ませた女子社員が戻ってきた。

『すみません、お先でした。』

『ああ、お疲れさん。』

『大輔さん、これ。』

『おう、ありがとう。』

頼んでいたカップコーヒーを受取った。
湯気を立て、香気を漂わせている。
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