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異常性愛
第23章 原石と宝石
『今のままじゃ、
私はいずれ捨てられます。
あの人はそういう人です。
私は涼子さんがすごく嫌いです。
私の未来を邪魔するような気がして・・・。
あの家にも住みたくない。
涼子さんの匂いがします。
あちこちにそれが残ってる。
だから、だから壊したいんです!
他に移るだけじゃ気が済まない。
私はあの人を勝ち取った・・・。
涼子さんはそこからリタイアしたはずなのに、
まだあの人の心にも
あの家にも住み憑いてます。
それが悔しい・・・・。』
真美はバッグを掴んだ手を震わせ、涙を溢した。
自分の野心で進んだ道に涼子が立ちはだかり、真美のプライドを傷つけている。
今そこに居ない涼子の存在感を、亭主やあの家を通して真美は敏感に感じ、陰鬱な日々を過ごしている。
鬱屈した心情が、ショールームで真美に嫌味のある態度を取らせたのだろう。
可愛そうなことだが私にはどうすることもできない。