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第23章 原石と宝石

　　　
『で、真美ちゃんはイヤだって言ったの？』

『そうでないとダメなら仕方ないと思ってます。
　私も嫌われたくありませんから・・。』

『けなげだね・・・。』

独善主義の亭主の元で、真美は逆らえないのだろう。
だが、真美のプライドがそれを許していない。
真美はまだ若い。
涼子や優子は男の変質性を理解し、寛容に受け入れるが、若い真美はプライドが先に立ってしまうのかもしれない。

『それには大輔さんも出てきます。』

『え？そうなんだ。
　いつ・・・あ、あのホテルか。
　どこかに仕込んでたんだな。
　はは。やられたな。』

『あの時、
　涼子さんをすごく大事にされてて
　・・・わかるんです。女だから。』

『それで、今日？』

『はい。涼子さんのようになりたいんです。』

『それは、そのどっち意味で？
　人格的なこと？大事にされたいってこと？』

『両方です。』

『そいつは・・・どう・・・
　うぅん・・・なぁ・・・。』