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異常性愛
第23章 原石と宝石
真美は潤んだ瞳で私を見つめている。
訴えかけるような真美の視線を逸らし、窓の外に目をやった。
ワイパーに雪が積もり始め、ウィンドーガラスに降った雪が溶けて凍り、周りの景色が涙目で見たようにガラスに滲む。
私はハンドルを握り締めていた。
離せば真美を抱きしめてしまう。
視線を逸らし、沈黙を受け入れるのが精一杯だった。
フッと香水の匂いが漂い、柔らかい毛先が私の頬を撫でた。
真美が私にキスした。
突然のキスに驚いてハンドルを握っていた掌を浮かてせしまい、目を開けたまま、太く大きくなる自分の鼓動を感じていた。
未だ温まらない車内で、真美の唇は冷たく硬い。
吸い付くわけでもなく、舐めるわけでもなく、ただただ真美は私の唇に自分の唇を押し付け、鼻をすすり涙を伝わせていた。