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異常性愛
第25章 おまじない
『うっす。精一杯やらしてもらいます。』
『決まりゃ、お前だって角のデスクだ。
そろそろ上に来い。』
『うぃっす。がんばります。』
上司に頭を下げ、台車に積んだサンプルを押して事務所を出た。
出掛けに皆の視線を感じる。
やはり妙な期待があるようだ。
チアキが書庫の角から手を振ってくれたが、両手が塞がっていた私は、目線を上にしてチョロッと舌を出し、この雰囲気に辟易してると訴えた。
チアキは小さく吹いた。
実際の所、亭主が了承しているこの話は、既に受注したも同然で、昨夜のうちに最終の利益も弾き出してある。
ただ楽には契約できないと上に報告している。
簡単な契約だと思わせない方が社内的に都合がいい。
他の社員にも余計なプレッシャーがかかる。