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異常性愛
第25章 おまじない
エレベーターに台車を押し込み、地下へ向かう。
携帯で時間をチェックすると、晶子からメールが届いていた。
実家に着いた、という内容だった。
以前に晶子が、肉親と過ごす時間を増やしたいと話していたのを思い出し、亭主とのアポイントが取れた夜、晶子に週末の里帰りを提案した。
あの亭主と酒を酌み交わす夜に、家で晶子に待たれていると思うと、それだけで私の胃に穴が開く。
私の提案に晶子は手を叩いて喜び、出産準備も兼ねて母親と産婦人科の下見をすると、その場で母親と連絡を取り合った。
晶子の母親からは甚(いた)く感謝され、孫が楽しみだ、しっかりねと励まされてしまった。
娘としっかりセックスしろということだろうか。
妊娠もしていないのに、それに関わる時間を過ごすことが晶子は嬉しいようだ。
晶子のはしゃぐ姿に、私は今日のプレゼン以上のプレッシャーを感じた。