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異常性愛
第26章 ならず者の食卓
   
外国製のセダンは私と真美を乗せ、滑るように走った。
車内は静寂を保ち、路面の荒れや段差も搭乗者にそれを全く感じさせない。
さすがに高級車だ。
値段だけのことはある。

乗り心地だけではない。
そちこちに配置された安全システムや内装材の品質、その仕上がり。
思わず触れたくなるような洗練されたデザイン。
そのどれもが所有欲を満たすものだ。

大きな車格は、信号待ちで隣に並ぶ国産車を圧倒し、運転する私や助手席の真美の日常生活を隣のドライバーに誇大妄想させることが出来る。
優越感に浸るにはハッタリの効いたこういう車は最適だ。
その暴力的なパワーと過剰なまでの存在感は、富と力の象徴でもある。



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