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異常性愛
第26章 ならず者の食卓
『じゃ、
そのうち涼子には
出てってもらわないとな。
優子をしまう場所がないじゃないか。』
『仰るとおりですよ。
ははは。』
亭主の言い分は正しかった。
涼子との愛は上手くしまい込めた。
だが将来訪れるであろう優子との別れまでに、そこを空けておく必要がある。
今の私には余裕がない。
優子への愛情を思い出に変えることが出来なかった私は、独占することで優子を満足させながら、私から離れないように縛り付けてしまっている。
卑怯な恋愛だと自分で気付いている。
『歳をとれば少しは、
大きな倉庫を持てるかもな。』
『先生の倉庫は大きいんですか?』
『私にはそんなものはないさ。
ほほほ。』
『忘れられましたか?涼子を。』
亭主は覗き込むように真美を見た。
素顔に気付くと亭主は笑った。
『どうした、真美。可愛い顔して。』
真美は俯いたまま首をひねり、亭主に外方(そっぽ)を向いた。