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異常性愛
第26章 ならず者の食卓
亭主は私を恨んだはずだ。
亭主の人脈をもってすれば、もしかしたら私は殺されていたかもしれない。
だがあのホテルで私が亭主に見たものを、亭主も私に見たのだろう。
肉親から愛されずに育ったと、車中で亭主が漏らしたことがある。
私が真美に同情したように、亭主もまた私に同胞の思いを感得したのかもしれない。
面子や体裁に囚われる年代だ。
涼子に逃げられたことは認めたくないだろう。
涼子に愛されなかった亭主を哀れに思う。
私の二回り近く年上の人生の先輩である亭主だが、私は彼を慰めてやりたいと思った。