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異常性愛
第26章 ならず者の食卓
亭主は真美の素性の可愛らしさを認知している。
ただ私と同じように、どうしても真美を虐めたくなるのだろう。
八つ当たりや鬱憤晴らしかもしれない。
真美自身に被虐性があるわけではないが、男の加虐性をつつくものを真美は内在させている。
加虐嗜好の私や亭主は、それをいち早く真美に嗅ぎ取り、刺激され続けている。
『なぁ大輔クン、相談なんだが。』
『なんでしょう?』
『あれに子を作ってくれんか?』
『はぁ?』
『もし私に問題があって
真美に子ができんようなら、
キミが真美を孕ませてくれ。』
『先生、
そりゃ倫理に反しますよ。』
『キミにしか頼めん。
キミの遺伝子なら私も認める。』
『何言うんですか。
もっと優秀な人間が
いくらでもいますよ。』
『どこの馬の骨かわからんのより、
出所がハッキリしてる方がいい。
キミなら安心だ。
まぁ、考えといてくれ。』
亭主はいつもの引き笑いを聞かせることなく、トイレに立った。
冗談なのか本気なのか、亭主の発言は相当に危険なものだった。
相変わらずの人間離れした発想だったが、彼の飛躍した発想の着地点に、一般常識が時間をかけて辿り着く日が来るのかもしれない。