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異常性愛
第27章 業
私の心を涼子が占有しなくなった。
ビデオの涼子を蔑視しているわけではない。
どちらかというと、ああいった痴態は私の好物だった。
亭主の言う性倒錯が涼子にあるのなら、茫としてだがそれを理解できる。
私でさえ風呂上りには自分の身体に見惚れる事がある。
生々しい臨場感をもって目の前に涼子が現れたにもかかわらず、涼子に逢いたいと思わなかった。
再生される涼子を眺めながら、涼子を求める気持ちを自分の中に探したが、ついに見つけることが出来なかった。
そんなものは無いからだ。
燃えるように涼子を愛した記憶は鮮明にある。
あのときの感覚も思い出せる。
だが私に涼子を求める気持ちが湧かない。
それが虚しい。