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異常性愛
第27章 業
ただ真美は華やかな生活を夢に描き、元カレと別れ、財産家の妻になることを欲した。
亭主と涼子の離婚、衰えを実感し始めた亭主との出会い、そのタイミング。
野心と熱意はもちろんだが、計り知れない巡り合わせに、真美の強力な運を感じる。
傍目に見れば、若い女の色仕掛けにスケベオヤジがつけこまれた格好だが、実際は全く違う。
狡さのない熱い女に、枯れゆく資産家が惚れこんだのだ。
真美は個を主張し、それが叶わないと知ると、私のところへやってきて涼子になりきる方法を見出そうとした。
決して救いを求めに来たわけではない。
いささか直情的ではあるが、その狡さの無い真美の本質は清らかなものだ。
対象に金銭が絡むと周囲の反応は冷たくなるが、アスリートがメダルを獲得する為に努力するのと、なんら変わりは無い。
実際はアスリートでさえ名誉や金銭がメダルの裏についてまわる。