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異常性愛
第28章 媒介
首筋にひんやりした感触を覚え、目を開けた。
カーテンの隙間から差した陽光が目に刺さり、眩しさを嫌って寝返りを打つと、身体にまとわりつく毛布の温かさに気付いた。
脱衣所からピーッと電子音が聞こえ、仕事を終えた洗濯機が高らかにカノンを歌いあげる。
『・・・ぅるせぇな。』
『あ、起きた。
よく寝てたね。』
洗濯カゴを抱いた晶子が、ソファで寝ている私を見下ろし、微笑んでいる。
『・・・帰ってたのか。』
晶子は今日の夕方に帰ると言っていたはずだった。
もう一度目を擦り、晶子かどうか確かめた。
『風邪ひくよぉ。
こんなとこで寝ちゃダメ。』
『ふわぁぁ・・・。』
息苦しい。
ネクタイも外さず寝込んでいたようだった。
身体を起こしソファに座り直した。
頭が重い。